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成長の加速はエンジニアが鍵!Voicy✕テモナが語る「1.01の法則」で成長するチームとは

2016年2月に創業したVoicyは「音声×テクノロジーでワクワクする社会を作る」というミッションのもと事業を展開しています。

9月にサービスリリースしてから2年間、たった3人の社員で今のVoicyの基礎をつくりあげてきました。4人目の社員がジョインしたのは、2018年1月のこと。急成長を遂げながら、エンジニアやデザイナーも増えて、現在では30人近くのメンバーと日々開発やデザイン、コンサルに取り組んでいます。

上場を見据えた採用はもちろん、企業カルチャーや組織づくりの課題に向き合うタイミングが来た、そう語るのは、Voicy代表取締CEOの緒方憲太郎さん。そんな緒方さんからの熱烈なオファーに答えて、本日は株式会社テモナのCTO中野賀通さんとの対談が実現しました。

企業カルチャーをつくる採用、エンジニアのチームビルディングや成長、メンバーにとって幸せな環境とは、さらには今、社長はどうあるべきか。ここからは対談形式にてお届けします。

文系・未経験のエンジニア採用からはじまったチーム

緒方:今日は、上場経験もあり、スタートアップ企業でエンジニア採用やチームビルディングの経験豊富な中野さんに率直な疑問をぶつけたいと思います。

さっそくですが、中野さんは学校の先生もされていたんですよね。CTOやエンジニアとしてのキャリアも含め、あらためてご紹介させてください。

株式会社テモナ CTO 中野 賀通(なかの のりゆき)さん。工業中学・高校の教員を4年経験した後、上場直後のベンチャー企業にエンジニアとして従事。クラウド事業の立ち上げや国内企業のマーケティング基盤構築のプロジェクトにPL、PMとして参画。2014年TEMONAにCTOとしてジョインし、事業開発、インフラ整備から技術者採用・教育にまで幅広く携わる。

中野:実は僕、18歳のときから工業中学・高校で4年ほど教鞭をとっていました。主にロボティクス工学・電子工学・情報工学の分野です。

緒方:18歳!?

中野:当時は国の実験的な取り組みで高大一貫教育の進学制度があって、それを使っていたんです。高校にいながら大学の単位をとったりしていました。高校卒業後は、母校の実技の教員採用試験を受けて、教員になりました。初めて持った生徒は1歳下の子で「先生?留年した人かと思った!」とか言われて(笑)

2社目にエンジニアとして入社し、事業側でのビジネスもある程度やってきて、7年ほど働いた頃、起業を考えました。起業準備のかたわら、スタートアップ数社で技術顧問としてお手伝いをしていて、そのうちの1社がテモナだったんです。

緒方:そうだったんですね。テモナのエンジニアチームはどうやってできたのですか?

中野:CTOとして技術と組織を見始めた頃はまだエンジニアが2〜3人、社員数が13人くらい。当時は全然チームという感じではないんですよ。

そもそもエンジニアが採用できなくて、何をトチ狂ったのか、新卒で10人採用したんです。13人の会社なのに。

緒方:トチ狂ってる!

中野:しかも、国内のエンジニアチーム約25名中、95%は文系・未経験なんですよ。緒方:え?!新卒で、未経験のエンジニア採用、すごい判断です。

中野:ちゃんと教育してあげれば形になるんですよ。僕はもともと教師だし、わからない人に教えるのは嫌じゃない。

ただ、現実的に事業を伸ばしていくとなると、手を動かせる人は絶対必要になりますからオフショアの立ち上げをしました。新卒の第1期生を1人だけつれてベトナムでラボをつくったんです。

緒方:新卒メンバーのバイタリティもすごい。

中野:3ヶ月間現地に住んで、チームビルディングをしながらプロダクトもつくって、それがテモナの「ヒキアゲール」というサービスとして、今も使われています。

緒方:プロダクトの開発まで!

中野:せっかくだし、なんかつくるかって。で、今は人も増えたんですが、メンバー約70名のうち、新卒と第二新卒が80%以上を占めているんですよ。

緒方:多いですね。企業カルチャーへの順応性が高そうです。

中野:会社のカラーにそまって、素直にがんばれるのかもしれませんね。どんな仕事に対しても「そんなもんだ」という空気感があれば、前向きに取り組めるものです。

緒方:「他の会社だとこんな待遇だったのに」とか出たりしない。

中野:出ないですね。むしろ「そういうものなんですね!」くらいの姿勢で、理解してくれる。

エンジニア採用におけるカルチャーフィットの重要性

緒方:Voicyでもこれからエンジニアメンバーの力が必要になってくる一方、新しいメンバーの採用に踏み出そうとしています。

でも世界中にただのホワイト企業はたくさんありますから、待遇を最重視されるならそちらを選んでくれたらいいんです。

伝えておきたいのは、うちを例えるなら甲子園を目指す野球部。Voicyは世界中誰もつくってないモノをつくる楽しさがあるし、この時期にVoicyにいたことが一番クールだ!と感じてもらえるような、いい会社にしたいんですね。

中野:いいですね。

緒方:ありがとうございます。でも、熱意を強制するのは申し訳ない気持ちもあって。

人によってはパッションを表現するのが苦手な人もいる。中野さんはそういうバランスはどう取っていますか?

中野:採用の段階で、お断りしていました。シビアにやりすぎて、一時は内定率が1%を切ってたんですけど。学歴でもスキルでもなくて、カルチャーフィットするかどうかで採用していましたね。

緒方:カルチャーで言うと、うちの採用基準は一緒に旅にいけるか。

中野:いいですね。テモナは家族になれるか、がざっくりとした採用基準です。

緒方:近いですね。お互いに迷惑かけあえるか、距離をおくのではなく、相手の迷惑も許せるかが大事だなと。

中野:うんうん。家族という意味では、どんなに喧嘩しようが、ぶっちゃけあおうが、家族だし次の日はケロっとしていられる。そういう組織が好きなんだよね。

緒方:僕もそういう組織めちゃくちゃ好きです。エンジニアに限らず、チームビルディングや組織づくりにおいて最初のポイントが採用になるんですね。

中野:そう、だから札束で殴るような採用はしないのが鉄則。札束で殴って採用した人は札束で離れていくからね。あとは採用したら見捨てない。

頑張っても結果がでないときは見捨てないし、助けます。でも、本人にやる気がなくて手を抜いていたら徹底的に話して、すぐに離れてもらう。うちじゃないほうがいいんじゃない?お互い楽になろうぜ!って。

中野:採用でも、仕事でも「仕事ってなんのためにしてるの?」と質問します。「あなたはレンガを積んでいて、あなたは何の仕事をしていますか」って。

なんて答えるか?「レンガを積んでます」と言うか、「お城をつくってます」「教会をつくっています」と言うか…そこの視座の違いは大きいということを何度も伝えるんです。

緒方:うんうん。NASAの話と同じですね。掃除をしている人に「何してるんですか」と聞いたら、「私は人類が月にいく仕事のお手伝いをしています」。

その仕事の一員としてやっている意識を持つのが大事。それに、仕事はプロレベルでやるから楽しい。

中野:そうですね。間違いない。

緒方:「プロ」野球になるから野球が楽しい。草野球では野球の醍醐味は楽しめないんですよ。でも、草野球でそこそこやってけたら幸せだという人はたくさんいて。

草野球でいいと思ってるなら、そういうレベルの環境に行ったらいい。僕らはとことんやってプロになって、素敵なサービスつくって、素敵な仕事をして、素敵な人間になって、そこにコミットしてるから面白いと思うんですよね。

中野:素敵ですよね。

エンジニアにおける3つの価値

緒方:エンジニアに対して、どこにいっても恥ずかしくないレベルまで成長してもらって、もっといい世界を見せてあげたいと思っているんです。中野さんはどうやって導いてるんですか。

中野:ビジネス上がりのエンジニアなので、多角的なアドバイスはできるんですが、必ず「エンジニアとしての価値ってなんぞ?」という話をします。

エンジニアにおける「価値」は3つあるんです。

1)機能的価値
2)情緒的、感情的価値
3)自己実現的価値

それぞれを説明すると、1)機能的価値は商品、サービス、その人のスキルによってもたらされるもの。

エンジニアで例えると、Rubyがかけるエンジニア、Reactがかけるエンジニア、いいね!でも、あなたである必要はある?オフショアのエンジニアでいいんじゃない?と。

機能的価値は◯☓△表で、比較対象されて、総合点の高いほうに置き換えられてしまいます。

2)情緒的、感情的価値は、そのサービスや商品を使うことや、その人と一緒に仕事することでプラスに生まれる感情の価値。この人と一緒に働きたい。「コイツがいるから安心だ」、「この人が言うなら間違いない」とか、ありますよね。

この商品を持っていれば間違いない、サービス使っているとほっこりするな、自分のQOLあがるなとか、というのが感情の価値。

3)自己実現的価値はその商品、サービス、人と触れていることで、自分の自己実現が達成されるか、近づけるか。高級ブランドで全身着飾っている人もこの価値軸ですね。

「あなたは何を求めてどうなりたいか?」この質問に対して、機能的価値に向かう人はいません。置き換え可能な人になるために、一生懸命やれないでしょう。

どこまで関わっていくか、という話ですが、僕は強くは言いません。自分で決定したことに責任を持ってほしいんです。

エンジニアスキルの成長曲線、20代をどう走り抜くか

中野:もうひとつうちの社員に伝えていることをお話します。みんな最初はどんぐりの背比べ、特に20代はほとんど差がありません。そこから、いかに自分の成長曲線をあげられるか、上げた角度を維持できるか。

毎月0.1成長していく人と、同じところにいる人、0.99になっちゃう人。最初はほとんど曲線が変わらないんですけど、これが続いていくと時系列で差がどんどん開いていくんですよ。

これが「1.01の法則」。大変だけど、0.99状態だと時間経過につれて差が開いていってしまう。あなたはどちらでいたいか。

緒方:「1.01」状態を維持することの大変さを指摘する人もいますが、ある時点で0.99→1.01状態にするのが一番大変。筋トレで例えると。サボってから再開する時のほうが辛い。だけど常に頑張る状態にしておけば、意外とできてしまうんじゃないかって。

中野:そうそう、筋トレと同じ。

さらに時間は唯一無二、平等だと言われるけど、それは違う。20代に使える時間と、30代に使える時間は、単位は同じだけど、価値が違う。

20代は無敵のスター状態。限られた時間枠の中でいかに成長曲線を上げられるか。20代でスターを取って無敵状態なのに、小型モンスターにびびるやついます?ゴールまですっとばして次のステージ狙わないやついる?

緒方:中野さんの言葉、重く受け取ってほしいですね。たまに「ぼく人見知りなんで」という発言をする人がいますが、それはつまり「僕は成長する気がないので、あなたは僕にあわせてください」と言ってるようなもの。

いかに自分が成長しないで世の中を自分にあわせるか、という処世術でしかない。

中野:おっしゃる通り。

緒方:自分はこういう人だ、とか、自分はこれ以上頑張らなくてもいいや、とか。20代でストッパーをかける癖をつけてほしくない。「こうやったらうまくいくかも」の思考回数は何千回転もまわせる。

スキルとは別軸で、いかに柔軟な価値を生む土壌をつくれるかで0.99と1.01の差はもっと開いていきます。

成長曲線の角度が上がって、トップラインにいることでより新しい情報が一番に入ってくるし、他の業界のトップレベルのことがわかるようになる。角度をあげていくほどいい環境が手に入る。

中野:そのとおりです。でも気をつけたいのが、メンバーみんなの成長ベクトルがキッチリ同じ長さに揃うのは無理ですよね。

大事なのは、ベクトルの向きを揃えて、太くしていくこと。長さはそこまで問題じゃないんです。

仕組みでカルチャーをつくる

緒方:新卒が多いとベクトルが揃いやすい、という感覚はありますか。

中野:それもありますが、「仕組み」でカルチャーをつくること。勉強する文化、スキルをあげる文化、自分の価値をあげる文化。

緒方:仕組みですか。

中野:例えば、毎週水曜日の朝に勉強する日をつくったり、3ヶ月に1回の開発合宿を行っています。任意参加ですが、どちらも参加率も高いし、継続されていますね。仕組みのなかでお互い競争して、成長できる環境をつくっています。

スタートラインは、社長は仕事をしないこと

緒方:会社は社員を幸せにする箱で、サービスはその中にあるアトラクション、そのアトラクションは社員もハッピーにして、世の中にもハッピー振りまけたらもっといいよね、と思っていて。

ハッピーを生む製造機だけ用意するから、楽しもうぜ!と言える状態に持っていきたいんですよ。でも、どうしても自分が動いてしまって、僕の時間が無限にあったら全部見たいのに!と思う(笑)

自分のリソースとメンタルの限界が会社のボトルネックになってると感じていて、採用に力を入れたいけど、同じビジョンのメンバーを集めたいし、絶対に妥協できない。このジレンマ、どこから打開すべきだと思いますか。

中野:まずは社長が仕事しないことがスタート。辛くても、やるべきメンバーに任せて、後ろで頑張れ!って応援するのが社長の仕事。

緒方:う〜ん、それ勇気いるね!

中野:でも現場のスタッフがいまのVoicyをつくって、管理系メンバーが2手先をつくって、社長が5-6手先を探していかなきゃいけないんですよね。

組織計画に答えはない、だからこそ「思い」を知る

緒方:僕も会社にみんなの居場所をつくりたいし、ハッピーにしたい。うまくいけば日本中だけじゃない、世界中がVoicyを知る可能性があると思っているんです。

僕たちの一歩=市場の一歩の歩幅だと思っていて、貨幣では還元できないプライスレスなことをやりながら収益も生み出せます。

目指している事業展開はあるけれど、実行できる組織計画には答えがない。人とスキルが揃ったらグロースする可能性があるところまできた。あとは人と組織と、みんなのメンタリティにかかっている。がんばります。

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Voicyでは今後も様々なキーパーソンをお招きして、音声の未来に関する勉強会を開催します。引き続きレポート記事でも公開していきますのでお楽しみに。

ライター:名和実咲
食やデザインを軸にwebメディア、紙媒体、SNSでのライティング、撮影、編集に携わる。BAKE Inc.に所属。ときどきフィルムカメラ。(@miiko_nnn

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